スラム街出身、酒浸りな父親のもと育ったウェイドがまともに生きていく唯一の方法、 それは魔法を手に入れ、冒険者になること。
厳しい訓練にも耐え、ついに冒険者見習いとして魔法を授かることになったのだが、 ウェイドに宿った魔法は自分を重くするだけのハズレ魔法・ジュウリョク魔法だった。
これまでの努力が魔法一つで水の泡。
魔法ガチャ、グロすぎ――……あれ、ガチャってなんだ?
あまりのショックにウェイドは前世の社畜リーマンの記憶を思い出した。
「……ん? ノロマ魔法って言ってたけど、重力魔法って強キャラの魔法じゃん」
そう! この異世界はいまだ未発達で、まだ重力の概念がほとんど知れ渡っていない世界だったのだ!
ノロマ魔法とまわりから侮られるウェイドだったが、一念発起して、自らを重くするだけの重力魔法に向き合っていく。